歯科医療機関の方へ(インプラント紹介)
インプラント治療に関するご相談・ご紹介について
当院の治療方針について
当院では、インプラント治療を「埋入で完結する治療」ではなく、補綴・清掃性・咬合・メンテナンスまでを含めた長期管理型の治療として位置づけています。
単にインプラント体が骨に固定されているかどうかだけでなく、
最終補綴物の形態やエマージェンスプロファイル
清掃性およびセルフケア・メインテナンスのしやすさ
咬合様式や力のかかり方
周囲軟組織・硬組織の長期的な安定性
といった点を重視し、補綴主導の視点から総合的に治療方針を判断しています。
他院で埋入されたインプラントについても、患者さんの背景やこれまでの治療経過を尊重したうえで、当院の治療基準に照らし合わせ、可能な範囲での連携・対応を行っております。
ご紹介・ご相談のタイミングについて
インプラント治療は、埋入時点ですでに多くの選択肢が制限される治療でもあります。
上部構造の製作や治療継続をご依頼いただく場合には、可能な限り埋入前、または治療方針決定前の段階でご相談いただけますと幸いです。
事前に補綴計画や治療ゴールを共有することで、
上部構造設計上の制限を最小限に抑える
将来的なトラブルや再治療のリスクを低減する
患者さんに対して、より納得度の高い説明が可能になる
と考えております。
上部構造のみの製作依頼について(当院の考え方)
当院では、「上部構造のみの対応で完結するケース」と「そうでないケース」が存在すると考えています。
埋入位置・角度・深さ、補綴スペース、周囲組織の状態によっては、上部構造の工夫だけで長期的な安定性を担保することが難しい場合もあります。
そのため、
治療計画や補綴設計について十分な情報共有が行われていない状態でのご依頼
補綴設計を含めた治療計画について、事前のすり合わせが行われていない状態でのご依頼
につきましては、必ず事前にご相談をお願いしています。
これは対応を制限するためではなく、治療の方向性を共有したうえで、より良い結果につなげるための対応です。
再治療(撤去・再埋入等)の可能性について
埋入条件や治癒状況、補綴的観点から総合的に評価した結果、長期予後を考慮すると、現状のまま補綴を進めるよりも一度立ち止まり、治療計画を再構築した方がよいと判断されるケースもあります。
その場合には、撤去・再埋入等を含めた再治療をご提案する方が望ましいケースとして、患者さんと十分に相談のうえで治療方針を決定しています。
あらかじめこの可能性について患者さんにもご共有いただけますと、治療が円滑に進み、不要な誤解やトラブルの防止につながります。
インプラント治療を行っていない医療機関の先生方へ
当院では、自院ではインプラント治療を行っていない、あるいは適応外と判断されたケースについても、ご相談・ご紹介をお受けしています。
患者さんにとっては、「どこで、誰に、どの段階から相談すればよいのか」が分からず、不安を感じやすい分野でもあります。
そのため当院では、
インプラント治療の適応判断
他の治療選択肢との比較・説明
インプラント治療を行う場合の治療計画立案
治療後の補綴およびメンテナンスを含めた長期管理
を含め、患者さんが納得したうえで治療を選択できるようサポートしています。
外科処置を当院で行う場合でも、その後のメインテナンスや日常管理については、紹介元の先生と役割分担を行いながら進めることも可能です。
当院の考える「治療を行わない」という選択について
「インプラント治療を行わない」こと、あるいはあえて行わない選択も、患者さんにとって大切な治療方針の一つであると、当院は考えています。
咬合の安定性や機能、患者さんの年齢や生活背景によっては、すべての欠損部位に対してインプラント治療を行うことが、必ずしも最善とは限らない場合もあります。
臼歯部欠損を含め、治療介入の有無や範囲については、機能・予後・清掃性を総合的に評価したうえで慎重に判断しています。
ご紹介時に共有をお願いしたい資料について
ご紹介元の先生の診療内容により、共有いただきたい資料は異なります。
可能な範囲でのご協力をお願いいたします。
● インプラント治療を行っている医療機関の先生方へ
使用インプラントメーカー/システム、サイズ
埋入時の所見、術式(GBR・サイナス等を含む)
CT画像(可能であればDICOM形式)
口腔内写真、プロビジョナル情報(あれば)
補綴計画や治療ゴール(共有可能な範囲で)
● インプラント治療を行っていない医療機関の先生方へ
欠損部位・これまでの治療経過
患者さんの主訴やご希望
全身状態や治療上の注意点
※資料が揃っていない場合や、どこまで共有すべきか判断に迷われる場合には、事前にご相談いただいても構いません。
おわりに
当院では、「治療をただお引き受けすること」よりも「責任をもって治療を完結できること」を重視しています。
患者さんにとって最善の結果となるよう、先生方と適切に情報を共有し、同じゴールを見据えた医療連携ができればと考えております。
どうぞお気軽にご相談ください。

